冷却塔の限界水量や計算方法を紹介

冷却塔(クーリングタワー)にはさまざまな種類があり、最適な機種の選定に迷ってしまいます。
必要な能力や機能を満たす冷却塔を選定するには、限界水量を確認する必要があります。

今回は冷却塔の限界水量について解説します。

冷却塔(クーリングタワー)とは

冷却塔(クーリングタワー)とは、簡単に言うと温められた冷却水を冷やす機械です。
多くの場合、冷凍機や成型機といった主機によって温められた冷却水を冷却します。

冷却塔は、誘引した外気と冷却水を接触させ、冷却水の一部を蒸発させます。
冷却水が蒸発する際に、残りの冷却水の熱を奪っていくため冷却水は冷やされるのです。
水が蒸発する時に周りの熱を奪っていく現象を潜熱変化と呼び、その時に奪われる熱を気化熱と呼びます。

限界水量とは

限界水量とは、決められた温度条件において冷却塔(クーリングタワー)が処理できる最大の水量のことです。
温度条件が変われば、限界水量も変化します。
詳しくは次項の「限界水量表の見方」についてをご確認ください。

限界水量表の見方について

限界水量は限界水量表で確認できます。
限界水量表は主に二つの温度条件が示されています。
メーカーの資料に記載してある対応型式を元に選定しましょう。

前述しましたように、限界水量は入口水温と出口水温と外気湿球温度の条件によって決まります。
ここで一般的な温度条件を示しておきます。

1)ターボ冷凍機用 入口水温37℃ 出口水温32℃ 外気湿球温度27℃
2)吸収式冷凍機用 入口水温37.5℃ 出口水温32℃ 外気湿球温度27℃

入口水温、出口水温、外気湿球温度が適合する列を選んだ後、必要な冷却水量を超える行を選びます。
これにより、どの冷却塔を選定すれば良いのか判明します。

冷却容量の計算方法

限界水量表では、適合する温度条件と必要な冷却水量を元に、その冷却水量を超える限界水量を選びました。
その行に表されている型式が能力を満足する冷却塔(クーリングタワー)となります。

ここでは冷却塔の冷却能力を示す冷却容量と、冷却水量の関係をご紹介していきます。

まず、冷却水量は次式の計算で求めることが可能です。
冷却容量(kW)が、冷却塔の冷却能力熱量を表す数値です。
⊿tは冷却水入口と出口温度差(℃)です。
ターボ冷凍機用では一般的に⊿t=37-32=5(℃)となります。

冷却容量(kW)=冷却水量(kg/h)×⊿t(℃)/860

冷却塔によって冷却される冷却水の温度は、外気湿球温度によって変わります。
一般的に冷却水の出口温度と外気湿球温度との温度差をアプローチといい、5℃程度をとることが多いです。

また、冷却水の入口と出口の温度差はレンジ(⊿t)といい、5℃〜6℃の範囲をとっています。

まとめ

今回は限界水量表の見方や冷却容量の計算方法を簡単にご紹介しました。
限界水量から必要な能力にあった適切な冷却塔を選ぶことができ、効率的に使用することができます。

限界水量を踏まえた適切な冷却塔の導入なら空研工業