皆さんは冷却塔(クーリングタワー)の選定方法をご存知でしょうか?
本記事では、冷却塔とその選定方法について紹介しています。
また、空研工業の冷却塔カタログのリンクも掲載していますので、是非ご覧ください。
冷却塔(クーリングタワー)とは
冷却塔(クーリングタワー)は、温められた冷却水を繰り返し冷やす機械です。
気化熱の原理を利用して冷却水を冷やしています。
冷凍機などの主機から送られてきた冷却水は、冷却塔内で誘引された外気と接触させられます。
一部の冷却水が蒸発する際、残りの冷却水の熱を奪っていくことで冷却水は冷やされます。
冷却水と外気の接触方法によって冷却塔は2種類に分けることができます。
2種類の冷却塔について簡単に説明します。
種類1.開放式冷却塔
開放式冷却塔は、冷却水と外気を直接接触させることで冷却水を冷却します。
密閉式冷却塔と比較すると、価格は安く、熱交換効率が高くなっています。
しかし、冷却水が外気と直接触れ合うため、冷却水が汚れやすいという弱点もあります。
種類2.密閉式冷却塔
密閉式冷却塔は冷却水が銅管コイルの中を流れているため、冷却水と外気は間接的に接触しています。
散布水と呼ばれる水が蒸発する際に、銅管コイル内の冷却水の熱を奪っていきます。
開放式冷却塔と比較すると塔体サイズが大きくなり、高価になりますが、冷却水が汚れる心配はありません。
主に病院やデータセンター、研究所棟のような重要施設の冷凍機冷却などで使用されます。
冷却塔(クーリングタワー)の選定方法
では本題の冷却塔(クーリングタワー)の選定方法を説明していきます。
選び方1.開放式・密閉式のどちらかを選ぶ
冷却塔には開放式・密閉式の2種類があります。
まずは、使用環境によってどちらのタイプにするか選びましょう。
選び方2.標準・白煙防止の仕様のどちらかを選ぶ
冷却塔から出る白煙とは、熱交換後に大気に放出された飽和空気です。
この飽和空気が大気に冷やされた結果、白く見えるのです。
白煙について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
選び方3.騒音基準を決定する
騒音基準については、規制値がない場合は低騒音型、規制値がある場合は能力選定後に「騒音値表」から確認して決定します。
空研工業製冷却塔の騒音基準の区分は以下のようになっています。
- R(低騒音)
- S(超低騒音)
- N(省エネ低騒音)…開放式のみ
- E(極超低騒音)…標準のみ
選び方4.1〜3で選定した内容に該当する機種を探す
これまでの選定内容を確認し、該当する機種を探しましょう。
→空研工業株式会社の冷却塔の機種を探す
選び方5.「限界水量表」を参考に能力を選ぶ
該当する機種のカタログ等には『限界水量表』が記載されているので表をもとに能力を選定します。
空研工業のカタログを例に手順を紹介します。
→カタログはこちらからご覧いただけます
- 入口水温、出口温度、外気湿球温度の適合する列(縦方向)を選びます。
吸収式冷凍機用については入口水温として37.5℃を表示しています。
ターボ式冷凍機用については入口水温として37℃を表示しています。
温度条件が適合する場合には吸収式ターボ式のどちらで選定しても構いません。
温度条件が適合しない場合には、お気軽にお問い合わせください。 - 必要水量を超える行(横方向)を選びます。
- その行の左端に書いてある数字が求める性能を満足する冷却塔の能力です。
選び方6.「仕様表」及び「騒音値表」の数値を確認する
次に『仕様表』『騒音値表』の数値を確認し、数値が設計条件に合うかどうか判断します。
設置寸法、騒音値が設計条件を超える場合は3に戻り選定しなおしてください。
選び方7.出荷形状を選ぶ
出荷形状は機種により異なります。そのため、選ぶ前に必ずメーカーに問い合わせて下さい。
冷却塔の高さ(H寸法)によって可能な搬入形態が変わります。
選び方8.設計条件が合わない場合はオーダーメイドを利用する
設計条件によりますが、仕様表に該当するものがない場合もあります。
その場合は、オーダーメイドを利用することも可能です。
お気軽にお問い合わせください。
まとめ
冷却塔(クーリングタワー)の選定方法について簡単に説明しました。
カタログのリンクを掲載していますが、紙カタログのご用意もございますのでご入用の際はお気軽にご連絡ください。