ヒーティングタワーシステムは、従来より存在していました。
ただ冷却塔兼加熱塔には開放式が採用されており、密閉式が採用されたのは本システムが最初になります。
製造しているメーカー:荏原冷熱システム・空研工業が開放式での納入実績があります。
ただし、ブラインの入れ替え・保管・運用時の濃度管理等面倒なことも多くあるため、現在では開放式での採用はありません。
先ほど紹介したシステムの、高性能密閉式ヒーティングタワーを製造販売しているのは、空研工業一社のみとなります。
加熱塔について知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
密閉式はブラインの管理が楽
ヒーティングタワーには、開放式と密閉式があります。
現在新設されているものは、すべて密閉式です。
開放式の場合はブラインの管理が難しいという難点がありました。
ブラインというのは不凍液のことを指していて、冬場にも運転するようなヒーティングタワーには、不凍液が注入されます。
しかし、このブラインが曲者で、濃度管理を怠ると凍結してしまう可能性があります。
それに対して、密閉式のヒーティングタワーの場合は外気からブラインが完全隔離されているので、ブラインの濃度が変化しにくいのです。
これによって、煩雑なブライン管理から開放されたのが、密閉式のヒーティングタワーになります。
加熱塔の選び方
ここでは加熱塔の選び方について紹介します。
加熱塔を選ぶためにはいくつかのポイントがありますが、一番重要な点は現場に合致したものを選ぶということでしょう。
各現場にはいろいろな設置条件があるかと思いますので、それを満たしていなければ、購入しても宝の持ち腐れになってしまう可能性があります。
さらに、どんなに高性能であっても予算内に収まらなければ購入が難しくなってしまうのです。
これらのポイントを総合的に踏まえることによって、より良い加熱塔を導入することができるでしょう。
選び方1.現場に合致したもの選ぶ
ヒーティングタワーを選ぶ際には、現場に合致したものを選ぶのが一番重要かもしれません。
現場によってはオーナーの意向により、導入時の費用を厳しく精査される可能性もあるでしょう。
そうなると、低コストかつ高パフォーマンスな加熱塔を厳選する必要があります。
さらに、現場のスペースも大きく関係してくるでしょう。
加熱塔や冷却塔(クーリングタワー)というものは、それなりに大きな設備で、配管工事も必要になってきます。
そのため、設置するスペースを確保することができるのか、設置場所の周囲に邪魔になるものがないかなどを踏まえたうえで選ぶ必要があります。
さらに、暖房として利用する場合には、冬場の環境についても考えなければなりません。
このように、ヒーティングタワーというのは現場に即したものを選んでこそ力を発揮してくれる機器なのです。
選び方2.高性能なものを選ぶ
ヒーティングタワーを選ぶのならば、なるべく高性能なものを選びたいところです。
空調技術というのは日々進化している分野で、少し時間が経過すると新しい技術がどんどん登場してきます。
新しいものになると、より小型化されていたり、より熱交換効率に優れていたりと省スペース性やエネルギーの効率性に優れているものが多くなります。
選び方3.予算の範囲内かどうかを確認する
設備機器というのは、当然のことですがお金をかければ良いものが手に入ることが多いです。
しかし、こういった工事には予算が設定されており、誰もがたくさんの資金を投入できるわけではありません。
そこで重要となってくるのが予算です。
予算の範囲内に収まるようにヒーティングタワーを選ぶ必要があります。
限られた予算内で、最も自分たちの建物に貢献してくれる商品をメーカーの担当者と相談しながら選んでいく必要があるでしょう。
また、予算の範囲内に収めるためには、このくらいまでならば対応することができるという条件を提示して、うまく両者で落とし所を模索することも重要になってきます。
選び方4.信頼できるメーカーかどうかを精査する
どこに施工をしてもらうのかというポイントも重要になってきます。
そこで確認したいのが、これまでの実績です。
メーカーによっては、HPやカタログに導入事例を詳しく掲載している場合があります。
過去の事例を確認することができれば、信頼につながるのではないでしょうか。
おすすめの商品
ここからはおすすめの商品を紹介していきます。
おすすめの加熱塔 空研工業
空研工業は、もともと冷却塔(クーリングタワー)に特化した開発を行ってきました。
空研工業のヒーティングタワーは、密閉式が使われています。
空研の技術力が光る熱交換器についてご説明します。
ヒーティングタワーに組み込まれている熱交換器は、ウェーブフィンを採用しているため伝熱性能の良いものになっています。
たったこれだけの工夫であっても、熱交換効率が飛躍的に上がることがわかっており、細部にわたるこだわりも空研工業の魅力の一つだと言えるでしょう。
さらに、密閉式ヒーティングタワーを利用しているので、ブラインが空気に触れないというのもメリットもあります。
ブラインが汚れないので、ブラインの管理が非常に楽になっています。
ブライン管理の煩雑性を考えた結果、密閉式ヒーティングタワーになったのでしょう。
空研工業は、空調技術について多角的な視点を持っており、常に技術力向上を考えています。
さらに、品質改善は至上命題と考えており、日々自社の商品に改良を加えているのです。
このヒーティングタワーについても、従来の開放式を扱うユーザーの悩みを踏まえたからこそ、誕生したものだと言えるでしょう。
こういった企業なので、もちろんアフターケアについても信頼することができます。
空研工業はヒーティングタワーのメンテナンスにも対応しております。
おすすめの水冷チラー1.KOBELCO
KOBELCOも高い技術力を誇るヒーティングタワーシステムを提供しています。
KOBELCOのヒーティングタワーは、安定した暖房運転を再現してくれます。
具体的には、デフロストユニットの改良と水冷チラーの容量を制御することによって、課題だった暖房能力の低下を最小限に抑えることに成功しているのです。
さらに、高効率のヒートポンプチラーを組み合わせることによって、低ランニングコストを実現することにも成功しています。
また、使う人のこともしっかりと考えられていて、モジュール化をすることによって、大容量にも対応することが可能になっています。
今回紹介しているヒーティングタワーシステム共同開発の協力メンバーでもあります。
おすすめの水冷チラー2.荏原冷熱システム・日本熱源
両者とも水冷チラーメーカーとして、大きなシェアを持っています。
荏原冷熱システムは、大都市における駅前の再開発の際に、熱源機などを納入することが多い企業となっています。
現在は撤退していますが、開放式加熱塔のパイオニア企業です。
日本熱源は、比較的新しい企業ですがヒートポンプについては、様々な熱源に対応するオリジナル性では特筆するものがあります。
まとめ
ヒーティングタワーを使った空調システムを導入できる企業をいくつか紹介しましたが、この技術を扱える企業はまだまだ少ないと言えるのが現状です。
だからこそ、技術力が高く、アフターサービスもばっちり行ってくれる企業の製品を導入したいところです。
最新の設備になると、小型化が進み、低コスト化が進んでいます。
さらに、従来までの商品に比べると、圧倒的な効率性を持っていますので、省エネという観点からも優秀でしょう。
ただし、値段については、実際に見積もりを依頼してみなければわからない部分も多くなっていますので、まずはメーカーの担当者に連絡して、見積もりを依頼してみてはいかがでしょう。
それぞれの現場に合致した商品の見積もりを提供してもらうことができるはずです。