冷却塔(クーリングタワー)のルーバーはどこに設置されていて、どんな役割を持っているか知っていますか?
冷却水と外気との接触の仕方で、冷却塔のルーバーの設置場所は変わります。
ここでは冷却塔のルーバーの役割や仕組み、冷却水と外気との接触の方式などを紹介します。
冷却塔(クーリングタワー)のルーバーとは
ルーバーとは羽根と呼ばれる細長い板状の部材を、隙間を空けて平行に並べたものが一般的です。
外部から効果的に外気を取り入れることを目的に使用されます。
また、冷却水の外部への飛散・日光の遮蔽にも有効です。
冷却塔(クーリングタワー)のルーバーは、外部空気を取り込む入口に設置されます。
冷却塔の型式は「向流型(カウンターフロー)」と「直交流型(クロスフロー)」の2種類があります。
向流型(カウンターフロー)では、ルーバーの位置は充てん材より下部に設置されます。
一方、直交流型(クロスフロー)のルーバーは充てん材前面に設置されています。
冷却塔(クーリングタワー)のルーバーの役割
冷却塔(クーリングタワー)のルーバーの役割は、外気を効率的に取り込むことです。
開放式冷却塔も密閉式冷却塔も、外部から取り込んだ空気によって熱交換をする方式をとっています。
その外気を取り込む入口がルーバーなのです。
冷却塔(クーリングタワー)のルーバーの仕組み
ルーバーは外気を取り込む部分です。
冷却塔(クーリングタワー)の送風機により、ルーバーの羽板の隙間から外気を強制的に取り込みます。
ルーバーから取り込まれた外気は、充てん材を通り再び送風機によって屋外へ排出されます。
これが冷却塔の空気の流れです。
ルーバーの隙間から、異物が混入することもあります。
カメムシがルーバー内に入り込み、充てん材内に発生していたという事例もありました。
また、風雨にさらされているため空気中に含まれる埃や泥汚れが付着し、充分に外気が取り込まれない状態になることもあります。
屋外の風雨による影響だけではありません。
飛来物により破損することもあります。
ルーバーに付着するスケールにも注意が必要です。
スケールとは、水に含まれる物質により発生した硬い沈殿物のことです。
3か月に1度の目安で破損や変形、劣化や汚れが無いか保守点検することが推奨されています。
冷却水と外気の接触方法
前述しましたが、冷却塔内において冷却水と外気の接触方法は「向流型(カウンターフロー方式)」と「直交流型(クロスフロー方式」に類別されます。
向流型は熱交換の際に冷却水を上から落下させ、外気を下から上に流して当てる方式です。
外気を下から取り込むため、ルーバーの位置は冷却塔(クーリングタワー)の下部に設置されています。
直交流型は熱交換の際、充てん材の上部から落下させた冷却水に対し外気を横から、つまり直角に当てる方式です。
この場合、角形の冷却塔のルーバーは充てん材前面に設置されています。
冷却塔(クーリングタワー)の構造
直交流型の冷却塔(クーリングタワー)は「開放式」と「密閉式」に分類されます。
開放式冷却塔は、空気と冷却水を直接接触させて熱交換をする方法です。
冷却水は、上部水槽を通って充てん材に散水されます。
そこに取り込んだ外気を当てることで、蒸発を促進させて冷却効果を得る、という構造です。
密閉式冷却塔は冷却水が空気と直接接触しない構造になっています。
送風機によってルーバーから取り込まれた外気は、開放式と同様に充てん材を通ります。
開放式と異なる部分は、上部水槽および配水箱から流れる冷却水が密閉式では充てん材の間に配列されたコイル内を通っていることです。
まとめ
冷却塔(クーリングタワー)のルーバーは、外気と接触する部分であり汚れや異物が入り込みやすい部分です。
鳥の巣や虫の対策として「ルーバー金網」というオプション部品もあります。
3か月に1度のメンテナンスを推奨しているのは、汚れを防止し、継続的に最大限効率の良い冷却効果を得るためだけではありません。
冷却水の汚染防止の観点も考慮されているのです。
メンテナンスは、汚染物質が冷却塔内部で繁殖するのを防ぐことも目的としているのです。
空研工業では、開放式冷却塔・密閉式冷却塔ともに清掃、メンテナンスのしやすい角形の冷却塔を採用し、安全性とお客様のニーズに応える製品を開発しています。