冷却塔の凍結はなぜ起こる?凍結する原因と被害、対策方法を徹底解説

ご存知のように水は0℃以下(氷点下)になると凍結します。
水の凝固と呼ばれるものです。

基本的に冷却塔(クーリングタワー)が凍結してからでは遅いと言われ、循環水や散布水そして補給水が凍結しないための対策が重要となります。

冷却塔(クーリングタワー)の凍結防止方法とは

特に冬期に冷却塔(クーリングタワー)を使用していると、その条件によって凍結する場合があります。
使用している条件として「連続運転」「断続運転」そして「運転停止」に分けられます。

運転の状況によって対策も変わりますが、凍結しないようにすることが大切です。

冷却塔が凍結しないようにするには、どうすればよいのでしょうか。
本記事では、冷却塔が凍結する原因と被害を紹介し、対策方法を解説します。

冷却塔(クーリングタワー)が凍結する3つの原因

冷却塔(クーリングタワー)が凍結する原因は、前述しましたように主に温度が関係しています。
具体的には、以下の3つの原因が考えられます。

  1. 外気温度が低い
  2. 常時連続運転していない・・・「断続運転」や「運転停止」
  3. ヒーター取り付けや保温対策をしていない

冷却塔を通常通り使用しているだけでは凍結を防ぐのは難しい場合もあります。
それぞれについて、詳しく説明していきましょう。

原因1.外気温度が低い

寒い地域は、急激な気象の変化があります。気温だけではなく風速の変化などにも注意してください。
気温が0℃になっていなくても、風速によっては凍結につながることがあります。
「運転停止」の場合、配管そして下部水槽の水抜きが有効です。

原因2.常時連続運転していない

常に冷却塔を連続運転させている場合、循環水や散布水が凍結するのを防ぐことは難しくありません。

しかし、「断続運転」や「運転停止」の場合は、対策が必要です。
循環水や散布水はもちろんですが、補給水が凍結しないようにすることも忘れてはいけません。

原因3.ヒーター取り付けや保温対策を使用していない

ヒーターの取り付けや保温対策が有効です。
冷却塔の使用条件によってその方法は違ってきますので是非、種々雑多な経験を持つ「空研工業」に検討をお申し付けください。

冷却塔の凍結防止なら空研工業

発生しうる3つの被害

冷却塔(クーリングタワー)の循環水や散布水そして補給水が凍結すると、大きな被害を生み出します。
具体的に3つの被害を紹介します。

  1. 冷却塔の運転が不能となる
  2. 復旧に時間がかかる
  3. 費用負担が大きくなる

凍結した場合、金銭的なダメージを受ける場合も少なくありません。
具体的に3つの被害を説明していきましょう。

被害1.冷却塔の運転が不能となる

循環水や散布水そして補給水が凍結した場合、配管や機器類が破損し使用できなくなります。
凍結した場合、動作を完全に停止させ、復旧に努めるしかありません。

被害2.復興に時間がかかる

凍結した場合、配管や機器類が破損する訳ですから、当然復旧に時間がかかります。

「凍結してからでは遅い」と考え、有効な凍結対策を実施するのが重要です。
凍結対策の方法は後ほどまとめます。

被害3.費用負担が大きくなる

冷却塔で凍結事故が発生すると、時間が必要なだけでなく費用面でも大きな負担がかかります。
凍結した機器類は、破損している場合が多く、単に氷を溶かしただけで使用できるとは限りません。

冷却塔(クーリングタワー)の凍結対策 3つの方法

ここまで原因や被害について述べてきましたが、冷却塔(クーリングタワー)が凍結した時には大きな被害が発生します。

そのため、最も重要な対策は凍結させないことです。
具体的に以下の3点を紹介します。

  1. 冷却塔の運転状況により凍結対策を実施する
  2. ヒーター取り付けや保温あるいは不凍液を注入する等、対策を実施する
  3. 運転を停止する場合には、完全に水抜きする

原因で述べたことの逆を行えば良いと考えていただければ、多くの問題は解消します。
具体的に説明していきましょう。

対策1.冷却塔の運転状況により凍結対策を実施する

常時連続運転をしていれば凍結の心配が少なくなることは前述しました。

しかし、運転する必要がなかったり、断続的に使うこともあると思われます。
運転状況に合わせた対策が必要です。

対策2.ヒーター取り付け保温あるいは不凍液を注入する等、対策を実施する

ヒーターは下部水槽に取り付けることが一般的です。密閉式では凍結防止用の配管内に取り付けることもあります。
保温は循環水管や散布水配管そして補給水管に実施します。
不凍液ですが、密閉式の循環水に使用することが多いようです。

冷却塔のヒーターについてはこちらの記事をご参照ください。

冷却塔大学

冷却塔は空調設備に欠かせないものですが、冬の寒冷地では大切な部品が凍結によって破損する危険があります。そこで、凍結防止の…

対策3.運転を停止する場合には、完全に水抜きする

冷却塔を使用しない時期がある場合、循環水配管や散水配管そして給水配管の水を完全に抜いておくのが良いでしょう。
さらに密閉式の場合、熱交換器(コイル)や散水ポンプの水抜きも忘れないようにお気を付けください。
単に水が無ければ凍結しないという考え方のもと、行われる方法ですが効果は期待できます。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)の凍結事故は冬場に起こりやすく、起こしてはいけない問題の1つです。
凍結事故が起きてしまうと、配管や機器類が破損し、機能が停止するだけでなく復旧に時間を要します。

また、予定外の費用が必要になるなど、大きな打撃が生じることも少なくありません。

最も重要なのは「凍結させないために何をするか」です。
凍結しないためには、色々な方法があります。
運転状況やコスト面も含めて検討が必要です。
また、冷却塔を使用しない時期がある場合、水抜きすることをおすすめ致します。

冷却塔の凍結防止なら空研工業