冷却塔(クーリングタワー)を定期的に清掃することは、運転停止などのトラブルを回避するためにとても重要です。
ただし、セルフでできる簡易的な清掃は、充てん材以外への実施に留めなければなりません。
なぜセルフ清掃が必要なのか、なぜ充てん材には行ってはいけないのかを解説します。
冷却塔(クーリングタワー)のセルフ清掃とは
冷却塔(クーリングタワー)は清掃と水質の管理が非常に重要な装置です。
そこで有効になってくるのが、特別な道具などは使わずに1、2時間程度で行う簡易的なセルフ清掃です。
事前に必ず冷却塔の運転を停止して作業する必要があります。
上部作業は転落にも注意し、慎重に作業することも重要になってきます。
簡易清掃に必要な道具は、通常使うホースとゴム手袋や長ぐつ、カッパなどの作業着です。
高圧洗浄機は家庭用でもあればとても便利ですが、なければデッキブラシだけでも構いません。
冷却塔と循環ポンプの運転を停止し、凍結防止ヒーターがあればオフにします。
ボールタップの補給水バルブを閉めて排水バルブを開け、下部水槽に溜まった水を排水してください。
この時、冷却水出入口のバルブも「閉」にしてください。
上部水槽にスライムやゴミが詰まっていれば手で取り除き、泥状の汚れはデッキブラシや高圧洗浄機で洗い流します。
下部水槽の汚泥は排水口へ流し隅々まで藻類なども洗い落としたら、下部水槽内のストレーナを取り外し水洗いします。
最後に排水バルブを閉めてボールタップの補給水バルブを開け、下部水槽に水を溜めれば完了です。
出入口のバルブを開けることもお忘れなきように。
月に1度はこうしたセルフ清掃を行いましょう。
ただし、充てん材を自身で清掃することはおすすめできません。
充てん材を高圧洗浄機などで洗浄すると、経年劣化した充てん材は破損していまいます。
その破片が冷却水に混ざり冷凍機まで届いてしまうこともあります。
冷却効率が低下するだけでなく、運転できなくなるトラブルが起こるためセルフ清掃は控えてください。
充てん材の交換についてはこちらの記事をご参照ください。
冷却塔は、気化熱の原理を利用して、外から取り入れた空気を水と接触させることによって冷却水の温度を下げています。この水と空…
プロの清掃では排水管を詰まらせないよう、ストレーナや配管付属のYストなどの状況を見ながら作業を行います。
排水には絶対に流さないようするためにも、プロに任せる必要があります。
冷却塔(クーリングタワー)を正しく運転するための2つの対策
冷却塔(クーリングタワー)を正しく稼働させるためには、定期的な清掃と点検が何よりも重要です。
冷却塔の設置場所や使われている環境によって状況はケースバイケースですが、自力でできるメンテナンスとプロに依頼するメンテナンスを充実させることが大切です。
対策1.セルフ清掃
セルフ清掃は前述した通り特別な道具は必要としません。
作業時間も1、2時間ですので月に1度はセルフ清掃することでメンテナンス対策ができます。
対策2.プロによる清掃と点検
プロによる清掃は専用の機器を用いた技術とノウハウで、間違いのないプランを実施します。
充てん材はセルフ清掃では手をつけられませんので、能力維持のために定期的な清掃を依頼しましょう。
目詰まりのため交換しかないと思われる充てん材でも、プロが清掃すればまだ使えるケースも少なくありません。
同時に点検も受けられるため無駄なコストがかからず、安定稼働を維持することができます。
まとめ
冷却塔(クーリングタワー)は定期的に内部清掃を行う必要がありますが、月に1度程度は専門業者ではなくセルフ清掃で状態を改善することが可能です。
ただし充てん材に関しては簡単に清掃することができませんので、定期的な清掃と点検はプロに任せましょう。